2007年1月1日月曜日

●2007年 新年のごあいさつ


新年明けましておめでとうございます。旧年中は大変お世話になりました。

昨年末のクリスマス会は、生徒・ご家族・スタッフ総勢600名を越す盛大な会となりました。今年も都立高専の先生方や学生の皆様、ボランティアの方々にも 多数お力を貸して頂き、心より感謝しております。なお、今年は「みんなでつくるクリスマスパーティー」をテーマに、トリンカ大会や映画製作、企画アイデ ア、事前準備を始め、ロボットコンテストの運営を含め当日も多くのお父様・お母様のご協力を頂いたり、親子で一緒に楽しむコーナーを 多く設けたりしました。お子様たちが楽しみにしている年に一度の大きなイベントに多大なご理解とご協力、本当に有難うございました。ご父母の皆様のお子様 に対するお気持ちが少しでも多くお子様たちに伝わったのであれば、誠に幸いです。至らない部分も多々あったかと思いますが、大変救われました。心より御礼 申し上げます。

子供と接する貴重な時間によって大人は大人に、親は親になれる、子供を大切な宝として、いとおしく思えるのではないか、というように考えております。経済 第一主義の世の中、忙しい日々を送っていらっしゃるお父様・お母様に、その時間が少しでも多く取れる機会を作り、私共も大切なお子様の成長に共に関わらせ ていただけるようになれればと望んでいます。様々な場面でお父様やお母様に関わっていただく企画を今後年間を通じて企画していきたいと考えております。そ の節はご協力のほど、よろしくお願いいたします。

ところで、お正月の某新聞で、「社会で通用するのは『学歴』ではなく『学力』だ」というタイトルの文章を目にしました。
「企業が求める人材とは、まずは他人の話したことを理解でき、自分の考えをはっきりと人に伝えられるコミュニケーション能力があること。そのうえで、社会 や仕事のなかで自ら問題を見つけ、解決策を考えることができる力、言わば本当の意味での『学力』をもった人材です。そのような能力を培う場所こそが、大学 なのです。高校までの勉強は、正解が分かっている問題を教師の教え通りに解くことでした。それに対して、問題そのものを見つけ、正解の分からない問題につ いて考えるのが大学です」
この文章は大筋で社会で生きていく能力について必要なことを述べている点で納得できるものでしたが、私の中には大きな疑問が残りました。

社会で生きていく本当の力を大学でしか学べないのか・・・?大人の用意した世界に順応する能力を18才まで要求し、その後に自立性や独自性を求め育てるこ とは可能だろうか?遅すぎるのではないだろうか?先月まで「批判的思考(critical thinking)」についてお話させていただきましたが、昨今基礎学力の低下を理由にかつての「読み・書き・そろばん」(考えることより訓練すること を、過程より結果を重視する)の時代に逆行しているように思われます。私共が教育の実践を通じて何をしてきたかと言えば、「教えられた知識を鵜呑みにする のではなく、自分で確かめ自分の頭で考える姿勢や子供たちの脳の中に正しく考える回路を養っていく」ことです。これには時間もかかり、self esteem(自分を深く信頼する心)も培わなければなりません。幼い頃からじっくりと子供と向き合って育てていくことが必要なのではないでしょうか?

昨年はいろいろな構想の中で実現できなかったものや十分期待にお応えできなかったものなどがありました。その反省を踏まえ、今年は昨年なし得なかったこと を、当アカデミーの理念と教育方針に照らし、着実に一歩一歩実現していければと考えております。そして、日本の教育全体において失われている片翼を補うよ うな教育の実践を有効に行っていきたいと、熱く願っております。

今後ともご支援のほどよろしくお願いいたします。
▲東大が発表した
「未来のリビングルーム」では
ロボットが人間の行動を支援する
▲父母アイデアから
企画されたコーナーは大人気
▲父母とのチームワークで
取り組んだ
おかしバランス遊び