2008年12月1日月曜日

【第40回】ロボカップジュニア⑤


― 都立高専との出会い ―

ここ3年程、RISE科学教育研究会(トゥルースの視線第10回・37回参照)が主催する、夏休みに行うロボットコンテスト「サマーチャレンジ」(ロボカップジュ二ア関東ブロック運営委員会共催)は、都立高専(旧東京都立工業高等専門学校・現東京都立産業技術高等専門学校)を会場とし、都立高専の先生方や生徒の皆様のご協力の下、運営されています。競技に参加してロボットを学ぶ先輩として、後輩のために目標を示してくださる生徒の方々もいらっしゃいます。また、今年はX'masチャレンジ&パーティーの会場として、学校の一部をお貸しいただくことになりました。

2004年ロボカップジュ二ア関東ブロック大会は当初都立高専で行う予定でしたが、様々な経緯を経て最終的には日本科学未来館で開催。しかし、ロボカップジュニアは皆がボランティアで運営しているため経費も労力も大きな負担となることから、2005年はどこで開催するかが問題になりました。といっても、参加チーム数が年々増加する関東ブロック大会を開催できる規模の施設はそう簡単には見つかりません。昨年快く会場を提供してくださったにもかかわらず、会場を他の場所に移し不義理をしてしまった都立高専にお願いするしかありません。果たして都立高専の先生方は、この無節操で無礼な申し入れを受けてくれるだろうか?関東ブロック運営の基礎を作ってくださり、現在もご尽力を頂いている品川区の岩崎さんと一緒に、不安と申し訳ない気持ち一杯で先生方に頭を下げてお願いした次第です。

都立高専の先生方から頂いた回答は、参加を望む子供たちが困らないよう都立高専をお使い下さい、といった内容だったかと思います。あまりに胸が一杯になってしまって具体的なお言葉を忘れてしまいましたが、その時最も感じたのは、「高い見識がここにはある」ということです。都立高専という歴史も伝統もある学校が体裁や体面を遥かに超越し、「子供たちのため」ならそんなことはどうでもいいですよ、と言ってくださった先生方の広く深い心に胸が打たれたのです。実利や利害を求めるばかりの昨今、これ程までの純粋で高貴な心に接し、涙があふれそうになりました。

以来、数年間関東ブロックは都立高専の先生方とRISE科学教育研究会のメンバーが中心となって運営され、現在では実に多くの方々がご協力してくださり、中には今後運営の中心的な存在になっていただけれる方々も見られるようになりました。

至らぬことは多々あり微力ではありますが、私が関東ブロックの発展と普及に邁進してこれたのは、ひとえに当時の都立高専の先生方の高潔な精神を裏切らぬよう、少しでもご期待に応えられるよう、頑張らなければいけないという気持ちだったと思います。本当に大切なことを教えていただきました。2年前、関東ブロック委員長に黒木准教授、副委員長に富永准教授(東京ノード長兼務)に就任していただき、関東ブロックはより強固な組織になりました。

今後も、小学生~高校生対象のロボットコンテストの最高峰であるロボカップジュニアに貢献し、参加する子供たちがより意義を感じられる活動になるよう努力していきたいと思っております。

To be continue・・・