2011年4月24日日曜日

【第59回】がんばろう、日本!

~ 日本の光明はどこに? ~

3.11は日本人が永久に忘れられない日になりました。誰一人予想すらできなかった世界最大級の大地震と、それに次ぐ最大23mにも達したと言われる大津波で、一瞬にして街は瓦礫と化し、想像を絶するほどの多くの命を奪っていきました。それに加えて、福島第一原発の大事故は、原子力史上最悪の旧ソ連チェルノブイリ原発事故(19869)と同級の国際的な事故評価尺度(INES)で「深刻な事故」とされるレベル7に引き上げられました。太平洋戦争以来、日本が経験したことがない未曾有の大惨事が起きてしまいました。

東京や神奈川に住む私たちも計画停電や交通マヒ、水や物資の不足を初めて経験しました。3月に予定されていたロボカップジュニアの神奈川・西東京ノード大会(日吉校生徒参加)、東東京ノード大会(練馬校・飯田橋校生徒参加)も、その上位大会となる関東ブロック大会も中止となりました。そして、未だに毎日頻発する余震のたびに胸に去来する不安感、いつ集結するとも、どこまで深刻化するとも分からぬ原発事故への漠然とした恐怖感が、私たちの心に重く憂鬱にのしかかってきます。

「こんなに犠牲者が出ている中でのイベント開催は不謹慎ではないか?」「また災害が起きたらどうするのだ?」という自粛ムードで覆われた中、私が委員長を務める神奈川・西東京ノード運営委員会では、延期開催を決定し去る4/3(日)に実施いたしました。そして、東東京ノード大会も4/10に無事開催されました。

運営委員会の責務は大会を開催することにあります。また、ロボカップジュニアは単なるイベントではありせん。教育活動の一環なのです。明日を夢見る子供たちが自分たちの目標を目指して精一杯頑張っている姿は、大人たちの気持ちを明るくし、希望を見出させてくれます。これからの日本を築いていく子供たちの真摯な活動を万難を排して支援していくのが、大人の使命だと考えたからに他なりません。努力している子供たちを考えると、ジャンケンくじ引きで上位大会推薦者を決める訳にはいきません。

今後日本の経済はどうなるのでしょうか?工場が壊滅したり交通が遮断してしまったところもあったでしょう。電力供給も不安定になり、思うように生産が追いつかなかったり、技術開発の余裕がなくなったところもあるでしょう。国際競争力が低下し、経済が長期に渡って低迷しないでしょうか?放射能物質による汚染が広がった場合、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の締結に向けて進んでいる中、食糧自給率はどうなっていくのでしょうか?

今、日本は苦難の時を迎えています。時には歴史の教科書に答えが出ていない難問すら沢山あります。この複雑化した難問を受け継ぎ、解いていくのは次の世代を担う子供たちです。「希望に向けて逞しく歩んでいく子供たちこそ、日本の光明だ」と思わざるを得ません。今こそ、新しい世界の創出に必要な能力を育てる教育が重要であると痛感しております。

※予定しておりました「科学的リテラシー③」は次回掲載いたします。


To be continue・・・