2012年6月1日金曜日

【第70回】2012科学の夏


~ 今年の夏は科学に熱くなれる夏 ~

当アカデミーが毎年行っている「夏期特別授業」は、実験や工作、算数活動、ロボットなど今年も楽しい内容が満載。また、今年より小学中学年以上の1日完結講座も増設しました。『NPO法人科学技術教育ネットワーク(略称:NEST)』も、「オーシャン・プロジェクト」「サイエンス・キャンプ」「NESTロボコン」「ロボット教育指導者養成講座」と活発に活動を行います。

特に今回ご紹介したいのは、当アカデミーとNESTの前身であるRISE科学教育研究会が教室の中で行ってきた活動を野外に発展させたICT科学活動 ― 2005年にスタートした「サイエンス・キャンプ」と2010年から行っている「オーシャン・プロジェクト」です。どちらもICT (Information and Communication Technology)を用いた野外科学活動で、「サイエンス・キャンプ」は山をフィールドとし、「オーシャン・プロジェクト」は海をフィールドとしています。

「サイエンス・キャンプ」については、これまでご紹介してきましたように、ICT教育実践事例のコンテストである『ICT夢コンテスト』でCEC奨励賞が授与され、ITとコミュニケーションを組み合わせた国内で先駆的な活動としての評価を得ました(視線62回・67回参照)。今年のテーマは、『デジタルで探れ!森の時間と記憶』。
時間についての考察を行います。高尾山は元々野原だったのですが、植林によって森に成長した山です(視線46回参照)。時代の変遷による森の変化や山に刻まれた時間、時間をテーマとした科学実験や工作、ロボットによる探査シミュレーション活動など、充実した2泊3日を企画しています。

「オーシャン・プロジェクト」は、NESTの理事である玉水亘氏(「エルプレイス」主宰)が自教室で行っていた活動をRISE、そしてNESTが引き継いで行っています。開催場所の真鶴は、「御林(おはやし」と呼ばれる「魚付き保安林」から豊かな栄養分が海に流れこみ海を育てているところで、「美の条例」を定めているだけあって、景色も町並みも美しく、お魚も美味しい、私が個人的にも最も好きな町の一つです(視線45回参照)。
『海と生き物を科学する』をテーマに、潮の満ち引きや水温などデジタル計測機器を用いて観測し、その変化を分析して「海」に見られる自然現象を解明するICT科学活動を行います。これだけではなく、「海の学校」の渡部孟先生(真鶴町立遠藤貝類博物館)による海洋観察会や、NPO法人「ディスカバブルー」代表の水井涼太氏(環境学博士)によるプランクトン観察を行い、海に生息する生物について学びます。また、ダイビングのインストラクター資格「PADIインストラクター」取得指導者の指導の下、シュノーケリングを行い実際に海に潜ってその様子を観察します。シュノーケリングでは、毎年子供たちは大はしゃぎ。あっという間に楽しい時間が過ぎ去る1泊2日の合宿です。

夏休みは、学校から離れて様々な実体験ができる絶好の機会です。この夏、普段あまり体験のできない学びを存分に楽しんでください。


To be continue・・・