2015年12月9日水曜日

トゥルースの視線【103回】


プログラミング教育の必修化【その2】
 
-プログラミング学習の必要性と意義 -

 

 「世界最先端IT国家創造宣言」(20146月改訂・閣議決定)において、「『情報資源立国』となるためには、それをけん引する人材、それを支える人材、それを享受して豊かに生活する人材が必要であり、(中略)、発達段階に応じた情報教育、及び学習環境の充実(ソフト・ハードを含む)が必要となる。その際、初等・中等教育段階におけるプログラミングに関する教育の充実に努め、IT に対する興味を育むとともに、IT を活用して多様化する課題に創造的に取り組む力を育成することが重要であり、このための取組を強化する。」とあるように、日本もやっと児童に対するプログラミング教育を国家戦略として位置づけたようです。
 
 主に楽天やサイバーエージェントなどインターネットを利用したコンテンツ産業を行う企業群が参加する経済団体「新経済連盟」の教育改革PTによる「プログラミング教育の充実に向けて(教育改1次提)」では、「(プログラミング教育は)プログラマー人材育成にとって必要であることはもちろんのこと、それにとどまらず、21世紀型の基本的な素養として必要である」として、プログラミング教育の意義について次のように述べています。
 
①世界の潮流はSTEM教育。テクノロジーとの対話がプログラミング
世界では、今後必要な素養として「ScienceTechnologyEngineeringMath」のSTEMが重要とされている。プログラミングは、テクノロジーを活用する能力を向上させるもの。
 
21世紀の世界はプログラムで構築されている
あらゆるデバイス、サービスの背後にはプログラムがある。世界が何でできているのか、世の中を動かす仕組みを知る必要がある。
 
③プログラミングが養ってくれる力
プログラミングを学ぶことで、自らのアイデアをどのようにすれば実現できるのか、論理的に考え、障害を取り除きながら実行していく力を養える。自らのアウトプットを積極的に世の中へ発信できる。これは、社会で活動するための普遍的な力になる。
 
 2013122日、秋葉原の秋葉ホールにて、角川アスキー総合研究所主催の「なぜプログラミングは必要なのか」というシンポジウムが開かれました。セッション「教育とコンピュータ」では次のような意見が出ました。コードを必修科目とする通信制普通科高校「コードアカデミー高等学校」のスーパーバイザーを務める松村太郎氏は、「その目的は、『読み・書き・そろばん』に加えてコードを学ぶことで、テクノロジーが分かり、自分で作れる人を作ることだ」と。ベネッセコーポレーション・デジタル戦略推進UX開発セクションの鈴木久氏は、「人がすべきこととコンピューターがすべきこととの切り分けができる力、問題抽出力、課題解決力を身につける環境や機会を作りたい」と。デジタルえほん代表取締役・NPO法人CANVAS理事長の石戸奈々子氏「プログラミングによって、論理的に考え問題を解決する力、他者と協力して新しいものを生む力、さまざまな表現手段を身につけることができる」と。
 
 板垣朝子WirelessWire News編集長は、このシンポジウムの感想として、「今のプログラミングとは単にコンピューターを動かすためのコードを書くことにとどまらず、人を動かすためのルールや仕掛けを作ることまでが含まれる。コンピューターやネットワークをコントロールするための道具としてのコードを使いこなすことと、コンピューターやネットワークでつながる人やものの関係性をデザインして社会を変えること。プログラミングには2つの意味があるとも言い換えられるだろう。そして、コードを書き、コンピューターを動かす経験をすることで、2つのプログラミングをする力は鍛えられる。だから子供や若い人が、コードを学ぶことには意味がある」と述べ、Rubyアソシエーション理事長のまつもとゆきひろ氏の「プログラミング言語は自分の意図をコンピューターに伝える手段であると同時に自分の考え方を明確にする手段」という言葉を紹介し、「思考の道具としてもまた、コードの読み書きは有用だということなのだろう」と。
 
当アカデミーは、1960年代に子供の学習用プログラミング言語LOGOを開発し、LEGO Mindstormsの生みの親でもある、マサチューセッツ工科大学メディアラボ名誉教授シーモア・パパート氏の提唱する教育理論「コンストラクショニズム」を実現する目的で現在のSTEM教育を始め、その一環としてプログラミング教育を提供しています。最近様々なプログラミング教育ツールが出てきていますので、少しずつ幅を広げ多様なニーズに応えられればと存じます。
 
今世界でコンピューターを利用した技術革新を主導しているのは「プログラミングの専門家」でなく、「プログラミングできるその分野の専門家」になってきている。例えば、スマート農場で技術革新を起こせるのは「プログラミングできる農民」だ。
―「『プログラミング強国』へ教育を」 坂村健 東京大学大学院情報学環教授―
 
 
 
トゥルース・アカデミー代表 中島晃芳
 



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2015年11月18日水曜日

トゥルースの視線【102回】


プログラミング教育の必修化
~ 各国のIT教育事情 ~

 

昨年3月のトゥルースの視線86回「続・グローバル化時代の学力(2)プログラミング・スキル」において、プログラミング教育がこれからますます重要になることをお話しいたしました。

当アカデミーでは、2008年に最初のScratchの講座を開催しましたが、当時はほとんど受講者が集まりませんでした。しかし、201312月「全てのアメリカ人にプログラミングを学んでほしい」というにオバマ大統領の演説を機に状況は一変し、今では日本でもScratchを始め、様々なプログラミングを子供たちに教える教室が続々と現れてきました。隔世の感があります。

日本では、2012年の新学習指導要領により中学校の「技術・家庭」で「プログラムと計測・制御」が必修科目となっています。各国のプログラミング教育必修化の状況を見てみたいと思います。

イスラエルは、2000年に「コンピューターサイエンス教師センター」を設立し、カリキュラムや教材をそろえて高校での必修科目としました。現在、イスラエルでは最短でも3年間で90時間を必修とし、より高度なコースでは270時間、450時間にのぼります。その結果、コンピュータ―関連に強い人材が豊富で、イスラエルはNASDAQへの上場数は米国に次ぐ2位だそうです。現在は中学への導入も計画中とのこと。

イギリスでは昨年20149月から、516歳の義務教育公式カリキュラムにプログラミング教育を導入しましました。それに先立ち、ロンドンで行われたカンファレンス「Skills 2014 Summit」で、財務長官と教育長官が、この重要な技能の普及と活発な起業家精神の育成を図るために、教師を対象とするプログラミングの教育訓練事業を開始する、と発表したそうです。

フィンランドでは、2016年から小学校の必修科目としてプログラミングが加わることが決まっているます。12年生からプログラミングに触れ、ツールやゲームを自ら作る経験を組み込むそうです。「今やテクノロジーと生活は切っても切り離せず、コンピュータサイエンスに関する知識は世界を正しく知るために必要不可欠。特殊な技能ではなく、市民として一般的な知識になっていくはず。プログラマー育成に力を入れるというより、すべての人に機会を与えるのが目的」(教育文化庁のサ・スオミネン氏)

 その他、韓国では20153月の新学期から中学校、20173月から小学校の正規教育課程としてソフトウエアを教えることになり、Skypeが生まれたIT大国エストニアでも2012年に小学校から高校まで計20校のパイロット校でプログラミングの授業を実施。オーストラリアでは連邦政府の新たなカリキュラム案で8歳~13歳のプログラミング教育を必修化したり(2016年より実施見込み)ニュージーランドでは2011年に高校生がプログラミング等のコンピュータサイエンスを学ぶ新カリキュラムが導入されたりしています。

 次回は、今なぜ子供たちにプログラミング・スキルが要求されているのか?プログラミングを学ぶことによって何が得られるのか?ということを考えたいと思います。



トゥルース・アカデミー代表 中島 晃芳
 
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【ご案内】
15歳以下の子供向けプログラミングコンテストの作品募集
 
「全国小中学生プログラミングコンテスト 9leap(ナインリープ) ジュニア・プログラマー・チャレンジ2015」を12月から開催! 募集期間は2015121日〜2016120日、テーマは「みらい」。興味のある方は参加してみてはどうでしょうか?

 
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2015年10月21日水曜日

トゥルースの視線【101回】


Truth教室やNEST活動が新聞記事に!
-教育的な意義の評価

 

今年の10月に入って、私共の活動に関わる2本の新聞記事が立て続けに掲載されました。
 
一本は、NPO法人科学技術教育ネットワーク(NEST:ネスト)の「ロボットの鉄人」合宿を扱った、10/2(金)日本経済新聞・夕刊です。タイトルは、『ロボコンに熱視線 ― 問題解決力や論理的思考 育つ』。
 
http://truth-academy.co.jp/wp/wp-content/uploads/2015/10/nikkei.pdf
「ロボットの鉄人」は、ICT (情報コミュニケーション技術)を用いた教育実践事例の全国規模のコンテスト「ICT夢コンテスト」で平成25年度CEC奨励賞を受賞しました。「ICT夢コンテスト」での評価は、教育の専門家による評価と言ってもよいかと思います。しかし、今回一般紙である日経新聞が取り上げてくれたということは、その教育的な意義について、広く興味や関心が抱かれる時代になってきたということではないでしょうか? 担当の記者からいろいろなことを聞かれましたが、紙面では「自分の頭を使ってトラブルに対処することが大切。社会で必要な問題解決力や論理的思考力が育つ効果がある」という私の言葉を載せています。また、ロボカップジュニアというロボットコンテストでは)「チームメイトと協力してプレーをすることでコミュニケーション力や協調性も身につく」という、ロボカップジュニア・ジャパンの高橋友一・代表理事(名城大学教授)からのコメントを紹介しています。ロボット教育が技術に偏った狭い教育というイメージから脱却し、一般的かつ普遍的な意義を持つ教育として認知されてきたとも考えられます。
 
もう一本は、10/5(月)日本教育新聞のシリーズ「塾が変える学びと育ち」。こちらは教育専門新聞です。『ブロック・ロボット教育 ものづくりで新たな世界築く力』というタイトルで、トゥルース・アカデミーを取り上げています。
 
http://truth-academy.co.jp/wp/wp-content/uploads/2015/10/kyoiku.pdf
 
ここでは、トゥルース・アカデミーが「マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボのシーモア・パパート教授が提唱する『コンストラクショニズム』― 子供たちが活動を通して知識を獲得し構築するという学習理論」に出合ったことに始まり、「目指すのはPISA型学力の向上だ。特に、自分の持つ情報や技術を活用する『科学的リテラシー』を、新しい世界をつくる力と考えて重視。ものづくりを通して、この力の育成を図っている」「その全ての授業が問題解決型で行っている」「ものづくりは個人作業のイメージが強いが、同社では少人数グループで授業を行う。社会性の習得も教育目標の一つだからだ」と、当アカデミーの教育理念を紹介しています。また、「子どもの好きな分野で、意欲的に通っている。考える力を育てる機会にいいと思う」という保護者の言葉を載せています。日本教育新聞のこのシリーズでは塾という民間の教育機関の新しい教育を取材しています。今まさに、日本の、いや、世界の教育が大きな転換期に来ており、その方向性を必死に模索している状況にあります。公教育の枠にとどまらず、民間教育の先進的な取り組みにもヒントを見出そうとしているのです。
 
昨年は、テレビ東京「モヤモヤさま~ず」ではロボカップジュニアの参加チーム(ダンス世界大会パフォーマンスチャンピオン『TOKYO2020)が取材を受け、日本テレビ「news every」ではブロックで遊びながら学ぶ教室として紹介されました。これらのメディア露出は教室を知っていただく大きな機会となりましたが、今年の新聞掲載では、教育的な意義により関心を持って頂けるようになった気がします。実践を通して21世紀型の教育を提言してきたTruthNEST共に、大きな転換期にある日本の教育に有意義な影響を与えられるよう、日々精進していきたく存じます。ご期待下さい。


トゥルース・アカデミー 代表 中島 晃芳




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2015年9月17日木曜日

ロボカップ2015中国大会報告

ロボカップ2015世界大会報告

-隣の国で過ごした、笑いあり涙ありの1週間-
 

 
  去る7/18()7/22()、三国志に記された合肥の戦いの舞台として有名な、中国の合肥(Héféi)Robocup2015世界大会が開催されました。合肥は上海空港からバスで片道約7時間かかり、昼間は晴天でも空一面がどんより灰色、夜間は様々な色のネオンが煌々と照らす地方都市です。四川料理や広東料理など日本でも有名な8大料理の1つでもある安徽料理が有名で、滞在期間中、美味しい料理を食べて過ごすことができました。

 
 
 会場の許容人数や参加国増加の関係で今年度は、各チャレンジから1チームのみが世界大会に推薦されるため、日本からは例年の半数である10チームが参加しました。当アカデミーからは、レスキューlineプライマリ「Ein(アイン)」、ダンスプライマリ「MFM(エムエフエム)」の2チームが出場しました。

 レスキューlineプライマリには、各国代表全20チームが参戦しました。1日目は調整、24日目の3日間は個別チームの競技が行われました。個別チームは、毎回フィールドが異なる8回のラウンドの内、最低得点を除いた7回の競技の合計点で順位を競います。今回の世界大会からレスキューlineのルールが大きく変わりました。まず、コースが2階建てではなくなり、上り坂、下り坂、障害物やギャップなど、パネルの組み合わせによって自由なコースが作られるようになりました。次に、被災者が缶ではなく、複数個の銀色ボールに代わりました。このように、日本大会までとは大きく異なるルールにどのチームも苦戦していました。昨年度はダンスチャレンジで世界大会に出場し、今年度からレスキューチャレンジに挑戦しているEinは、奮闘しましたが13位という結果になりました。
 

 
 5日目は2チームで組み、個別チームで行われるルールとは異なるスーパーチームの競技が行われました。Einはメキシコのチームと組み、ルールに合わせてロボットの機構も改良し臨みましたが、コースを走破できず6位でした。レスキューは年々難易度が上がっていますが、今年は特に難しくなった印象を受けました。今回の世界大会では、与えられた課題に対応する能力が今まで以上に求められており、上位入賞したチームは確実にそれぞれの課題を達成することができていました。日本国内の競技もRoboCup2015世界大会ルールに則るため、これからRoboCup Jr.に出場する皆さんも世界大会に向けて、各課題をクリアできるように頑張りましょう。
 

 
 ダンスプライマリーには15チーム出場していました。初日にはインタビュー、2日目3日目は個別チームの予選、4日目は個別チームの決勝、5日目はスーパーチームの競技といったスケジュールで行われました。MFMは個別チームの予選を1位通過し、上位6チームのみが出場できる決勝に進出できました。今回のダンスチャレンジは出場チームが例年より少ない関係で、「Performance Champion」、「Technical Champion」は用意されず、「World Champion」、つまり優勝チームのみが栄えあるチームとして称えられ、その他は8つの部門賞が用意されていました。決勝で、MFMは悔しくもイスラエルのチームに惜敗し、優勝を逃してしまいましたが、ロボットのデザインと機構が最も優れているチームに贈られる「Best Design & Construction」という部門賞を受賞することができました。恐竜が歩行すると観客からどよめきが聞こえ、演技が終わると盛大な拍手が送られ、MFM4人は満面の笑みでステージを去っていました。

 スーパーチーム競技では、スウェーデンとドイツのチームと共に、時代の移り変わりをテーマにした「Time Travelers」というチームを結成しました。英語が苦手なMFM4人でしたが、通訳の子に助けてもらい、なんとか意思疎通しながら取り組んでいました。残念ながら優勝できませんでしたが、異なる国の同世代の選手と交流できた、よい経験になったと思います。

 サッカーを見る時間はほとんどありませんでしたが、昨年同様、個別チームの競技はスイス方式で行われ、スーパーチームの競技は4 m×6 mのビックフィールドで55の試合が行われました。ロボットのレベルも高く、どの試合も大変盛り上がっていました。
 

 
 初日の受付から、大会側の準備不足で入場するのが2,3時間遅れたり、レスキューのインタビューが最終日まで行われなかったりと多々困難に見舞われましたが、生徒自身が運営本部に交渉しに行くなど、世界大会という雰囲気にも怖じけず、臨機応変に対応することができていました。このように何が起こるかわからないということも世界大会ならではの出来事でもあるため、開催国独特の文化などを学ぶ機会にもなったと思います。今年度は残念ながらジュニアパーティーが開催されませんでしたが、ステージ上で様々な国の選手が入り混じって踊ったり、競技後にシャツにサイン交換しあったりと、各々、交流を深め世界大会を楽しんでいました。
 

 
 中国の合肥に滞在中、夕食に行った際や会場周辺を散策した際などで、現地の人と話したり、本場の中華料理を食べたりと、中国の文化にも触れることができた1週間でした。

そして、大きな病気や事故にもあわず、皆無事に帰国することができました。同行いただいたご父母の皆様の多大なるご協力があってこそ、無事乗り切れたと思います。改めて心より感謝申し上げます。今回世界大会に行った皆さんは、日本代表として出場した貴重な経験をこれからの人生で活かして、大いに活躍してくれることを期待しています。
 
 
MFM・Einメンター 瀬戸 匠


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2015年8月10日月曜日

トゥルースの視線【100回】


トゥルースの視線、第100回を迎えて
-時代がやっとTruthに追いついてきた!-
 

20048月からTruth通信に掲載を続けてきました、この「トゥルースの視線」が今回で100回を迎えました。2002年から毎年1月号に載せている「新年のご挨拶」は視線の回数に加えておりませんので、既に100本を超える拙文を皆様にご披露していることになるかと存じます。このような一つの節目を迎えると、思わず歩んできた道を振り返ってしまいます。

200010月に、日本で第一期の「レゴダクタ教育導入教室」として教育用レゴ®ブロックとロボットを教材とした教育を始めてから、早15年の月日が流れました。おもちゃで遊ぶ教室というイメージから脱却し、科学技術教育として認知されるまで10年程の時間がかかりました。最初1年半程生徒数は10数名という、先駆者として茨の道を歩んでいた頃を考えると、レゴ®教室やロボット教室、プログラミング教室が花盛りである最近の様子は隔世の感があります。私共の成功があって、後に続く人々が出てきてくれたと自負しております。
 
(小1・2年生クラス)

ロボカップジュニアの運営も、2004年に初代委員長として関東ブロック運営委員会を立ち上げてから11年が経ちます。その間参加チーム数も増え、全国でも最も規模の大きいブロックの一つとなりました。予選会であるノード大会の運営、そしてロボカップジュニア・ジャパンの理事としての仕事を通して、ロボカップジュニアの活動の意義が広く認められ、全国に志を共にする指導者の皆様と知り合え、一緒に子供たちの活動を支えることができることを嬉しく感じております。

(関東ブロック大会)

また、2003年に有志で結成した任意団体「RISE(ライズ)科学教育研究会」は、都立産技高専の先生方や科学館の先生などのご協力を得て、3年前に「NPO法人科学技術教育ネットワーク(略称:NEST)」として生まれ変わりました。NESTは、「サイエンスキャンプ」「NESTロボコン」「ロボットの鉄人」で3年連続「ICT夢コンテスト」CEC奨励賞を受賞するという快挙を達成しました。ICT(Information and Communication Technology)とは、情報通信技術を表すITに、コミュニケーションの概念を加えた言葉。「ICT夢コンテスト」というのは、ICTを活用した教育実践事例の全国規模のコンテストです。ICTを活用した科学技術教育のパイオニアとしてのステータスを築き、その実践事例を全国に広めてこられたことは私共の誇りでもあり、さらに革新的(innovative)で創造的(creative)な教育を提言していくつもりです。

(NESTロボコン)

このような歩みの中、私共の最大の財産は、何千人にも及ぶ、これまで通ってくれた生徒たちです。

視線98回・99回では、幼稚園の頃から通っていた名村君が現在はTruthの講師として後輩指導に当たり、モンゴルに行ってロボットを教えたことをご報告させていただきました。在籍生の中で一番長く通っているのは、井下君です。3歳から通い始めて現在は高校3年生(18)。国際的なロボットコンテスト「ロボカップジュニア」に関東圏内で初期から参加していたのは、2002年から活動を始めた日吉校4人組のサッカーチーム「FC日吉」のメンバーです。社会人となって活躍している者や大学院で研究している者など、今はそれぞれの道を歩んでいますが、今でも皆で会っては近況報告をしているとのことです。その一人が瀬戸君で、現在Truthの講師として後輩の指導に当たってくれます。717日からはメンター(指導者)として、ロボカップ2015中国世界大会にTruthのチームを引率します。

(写真中央:名村君)

ロボカップの世界大会に出場した清水君や持田君、宇宙エレベーターで最高記録を持つ相澤君は現在講師として後輩指導をしてくれています。NESTやロボカップジュニアの活動に力を貸してくれる卒業生を挙げたらキリがありません。皆、愛着と誇りをもって力を貸してくれるのを折に触れては感じます。今秋、ロボカップジュニアOBに集まりを計画しています。皆がたくましく育ち、活躍している姿に会えることを楽しみにしています。

(TruthOB会にて)

教育の目的は、「人を育てる」ことに他なりません。常に将来の教育のあるべき姿を追求し、これからの時代を生きる、新しい世界を創っていく子供たちにとって有意義な教育を提供していきたいと思っております。この節目となる機会に、気持ちを新たにして目標を真っすぐ見つめて取り組んでいく所存です。Truthが見ている視線の先を楽しみになさってください。

 


トゥルース・アカデミー代表 中島 晃芳



 
 


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2015年7月2日木曜日

トゥルースの視線【99回】


NESTモンゴル高専支援プロジェクト(3)
-モンゴル高専の学生と日本の学生との交流②-




 830分~1630分を4日間使って、1クラス30人ずつ13時間30×2回の授業ができることになりました。これだけの時間があればかなりの内容がこなせます。5/4()、いよいよ授業が始まった。ところが、一昨日一日かけてPCに設定したことが全て元に戻ってしまい、授業は大わらわ。なんとか午前中の授業で対処法を確立し、それ以降は対処に追われはしたものの、授業は順調に進む。この日の夜にTruth講師の名村が到着し、翌日から授業に参加してもらうことになっていました。定刻よりかなり遅く着いた名村は厚手のダウンジャケットを着込み、昼でも小雪が舞い、朝晩は氷点下となるモンゴルの寒さに驚いていました。しかし、なんと翌日10時から17時まで停電になるという知らせがこの日の夕方に入っていたのです。
 
2日目は名村が授業に合流。停電になるまでできる限り授業を行うつもりでしたが、校長先生がPCとプロジェクターの分の電力を自家発電で供給して下さり、予定通り授業を行うことができました。全クラスの授業の最後に、名村がチーム「RCXレスキュー隊」のロボットのデモンストレーションを行い、使っている機構やセンサーなどを紹介。モンゴル高専生たちは、自分たちの使っているRCXのロボットの正確な動きに見入り、驚嘆のまなざしを向けていました。放課後のレゴロボット部の部活では、10日後に迫るロボットコンテストのルール確認と戦略のアドバイスを行い、クラスの授業ではできない発展的なプログラムの技術を名村から部員に教えてもらいました。いつしか名村は授業中には質問を受けるようになり、休み時間は高専生たちに囲まれるようになっていました。

今回のモンゴル高専訪問で、1年生と2年生にプログラミングの基本的な考えを、レゴロボット部の部員には発展的な内容を教授することができたので、この文化を彼らに続く後輩たちに受け継いでいってくれることを期待しています。また、日本の学生とモンゴル高専とのロボットを通じた交流は、今回を機にお互いの行き来やWEBでのやり取りを含め、もっと親密に頻繁に行えるようになることを望んでいます。
 

以下、名村が寄せてくれた感想です。 

Truth Academyでは、もう誰も使わず、存在すら知らない人もいるRCXをモンゴルの高専生たちは、楽しそうに使っていたことが一番印象に残った。やっぱりRCXはまだまだいけると確信できたことが嬉しかった。もちろん新しいものは、古いものより多くの可能性が広がっている。しかし、新しいものがあるから、古いものは使えず、要らないということはない。RCXが未だに使えているのは大切に扱ってきたからだ。モンゴル高専生たちにも、RCXを大切に使い続けてほしいと思う。自分もまだまだ現役で使い続けたい!

説明が終わる前に動かそうとする積極的な生徒、理解が早い生徒もいて、競技はとても盛り上がった。プログラミングに苦労していた生徒たちは、何回もRCXを動かし、試行錯誤しながら、上手くいく方法を探していた。ロボカップで見慣れた光景だ。競技の結果があまりよくないと、「もう一回やりたい!!」と言い、悔しさが伝わってきた。自分が競技者だった時と同じ感情をもっていて、みんな一緒だと感じた。

モンゴルに行ったのは今回が初めてだ。相撲が盛んな国というくらいにしか、印象をもっていなかった。言葉も分からず、コミュニケーションがとれるか不安だった。身振り手振りやgoogle翻訳を駆使して、少しは通じたが、とても苦労した。モンゴルは英語圏ではないが、これからのためにも英語くらいはマスターしておこうと、率直に感じた。

モンゴルという国がどのような国か知っただけでなく、RCXを通じて、モンゴルの人たちと交流できたことは自分にとって財産になるだろう。モンゴルは、これから成長が期待される国。彼らは、その国を支えるであろう将来の技術者や、研究者たちだ。「自分も負けてられない!」と刺激になった。

とても充実したモンゴルの一週間だった (名村圭祐)
 
 


 
トゥルース・アカデミー代表 中島 晃芳


 
 

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2015年6月10日水曜日

トゥルースの視線【98回】


NESTモンゴル高専支援プロジェクト(3)
-モンゴル高専の学生と日本の学生との交流①-



昨年9月、都立産技高専の富永教授・黒木准教授と共に、当アカデミーの池田と中島がモンゴル高専にロボットキットの寄付し、学生たちにロボットプログラミングの基礎を教えて来たことを以前ご報告いたしました(視線91回・92回参照)。その後、モンゴル高専には「レゴロボット部」という部活ができ、20数名の生徒が在籍して活動を行っているとのこと。ロボットコンテストに参加したり、中学生向けの学校説明会でロボットのデモを行ったりしているそうです。

しかし、前回訪れた際にパソコンの台数や時間の関係から当初予定した内容を全て終えることができませんでした。ですので、もう一度授業を行う機会を得られないかと考えておりましたが、このGWに実現することができました。一般社団法人「モンゴルに日本式高専を創る支援の会」代表代行理事も務め、この2年間ウランバートルに在住してモンゴル高専の学校運営の中心、NPO法人科学技術教育ネットワークの理事長である中西佑二・産技高専名誉教授が今回も授業をセッティングしてくださいました。

モンゴル高専に寄贈したロボットキットは、1998年に発売開始となったレゴ・マインドストームの第1世代であるRCXです。発売当時、工具も工作機械も半田付けも必要のないロボットキットの出現は、教育界に強力なインパクトを与え、学校教育におけるロボットを教材とした授業の爆発的な普及を引き起こしました。しかし、現在は第2世代のNXTを経て第3世代のEV3と進化しているので、今となってみれば古く性能も劣ります。

現在当アカデミー講師の名村圭祐と相澤信太郎がこのRCXで今年ロボカップジュニアの大会に参加し、ジャパンオープンで3位という輝かしい成績を残したことが、今回のモンゴル訪問が実現したきっかけとなりました。名村は幼稚園生から当アカデミーに通い、ロボカップジュニアのレスキューで世界大会にも出場しました。相澤も小学低学年から通い、宇宙エレベーター競技では国内最高の高度まで上った記録の持ち主です。自分を育ててくれたRCXをこよなく愛する二人は、年齢制限のためロボカップジュニア現役最後の出場となる今年、RCXで出場することにしたのです。C言語でのプログラミングも当然できるのですが、敢えて最初に学んだプロブラミングソフトROBOBLABでプログラムを組みました。RCXのロボット製作技術に精通し、ROBOLABによるプログラミング技術を最高レベルまで極めた二人です。

モンゴル高専の生徒たちもROBOLABでのプログラミングを学んでいます。この二人とモンゴル高専の生徒たちとが交流することによって、高専生がよりロボットに興味を持ちレベルを上げて、将来的には日本や世界のロボカップジュニアに参加してもらいたいと思ったのです。相澤は残念ながら都合がつかず、名村のみがモンゴルに行くことになりました。

5/1(金)池田と中島が先行して、20℃を超す日本から最低気温が氷点下となるウランバートルに降り立ち、副校長のムンフバヤル先生(福井高専卒)が出迎えてくれました。5/2(土)情報科担当でレゴロボット部の顧問であるヒシゲ先生、通訳のウルジさん、中西先生や生徒2人が手伝ってくれて、教室の配置、ロボットの準備、PCとの通信チェックを行いましたが、今回もPCとの通信がなかなかうまくいかず、終日準備に追われてしまいました。

1年生90名に加え、高専開校半年前に設置されたモデルクラスの2年生30名を加えた計120名の授業が、いよいよ、5/4(月)から1クラス30名単位で始まります。モンゴル高専の運営母体であるモンゴル工業技術大学(IET)もロボット教育に興味を持ち、大学の先生も授業に参加することになりました。
 
<次号につづく>
 
 
トゥルース・アカデミー代表 中島 晃芳

 
 

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2015年4月29日水曜日

トゥルースの視線【97回】


アクティブ・ラーニング 
 
-能動的学修とは?-
 
4/9朝日新聞に「考え・体験する学び、充実 中学教科書にページ新設」というタイトルで、いわゆる『アクティブ・ラーニング』が教科書に掲載されたことを報じていました。

「赤字バス路線に税金を使うべきか?」(帝国書院公民)、「市役所の観光課職員として旅行のパンフレットをつくる」「銀行員になって融資する」(育鵬社公民)、「CMソングをつくってみよう」(教育出版音楽)。東京書籍公民のキーワードは「コンビニ」。コンビニの経営者になり、どこに出店するか、弁当の商品開発を通じて利益や安全性などについて検討し企画書にまとめる、裁判員制度の学習ではコンビニ強盗致傷事件まで起きるというのです。

 
アクティブ・ラーニングは、もともと大学の授業で使われている用語です。文科省によると次のように説明されています。

「教員による一方向的な講義形式の教育とは異なり、学修者の能動的な学修への参加を取り入れた教授・学習法の総称。学修者が能動的に学修することによって、認知的、倫理的、社会的能力、教養、知識、経験を含めた汎用的能力の育成を図る。発見学習、問題解決学習、体験学習、調査学習等が含まれるが、教室内でのグループ・ディスカッション、ディベート、グループ・ワーク等も有効なアクティブ・ラーニングの方法である」

 
ハーバード大学で物理学を教えるエリック・マズール教授は、授業にピアインストラクションという手法を取り入れました。大教室の授業でも教員が学生に対して質問を投げかけ、それに対して学生同士が議論しながら進めます。この手法が取り入れられてから、学生の物理の理解度も大きく上昇しました。2012年からスタンフォード大学メディカルスクールではいわゆる「講義」のみの授業を廃止しました。同様の試みはマサチューセッツ工科大学でも以前から行われ、やはり教養物理の授業に学生同士の議論などアクティブな要素を取り入れた結果、成績下位者だけでなく中位、上位でも満遍なく成績の向上がみられたと言います。NHK白熱教室を思い起こします。これらアクティブ・ラーニングの手法が日本の大学にも少しずつ浸透しつつあります。


一方、小中高の「初等中等教育における教育課程の基準等の在り方について(諮問)」(H2611月中央教育審議会)では、以下のように記されています。

「新しい時代に必要となる資質・能力の育成に関連する様々な取組に共通しているのは次の点です。学ぶことと社会とのつながりをより意識した教育を行い、子供たちがそうした教育のプロセスを通じて,基礎的な知識・技能を習得するとともに,実社会や実生活の中でそれらを活用しながら,自ら課題を発見し,その解決に向けて主体的・協働的に探究し,学びの成果等を表現し,更に実践に生かしていけるようにすることが重要であるという視点です。そのために必要な力を子供たちに育むためには,『何を教えるか』という知識の質や量の改善はもちろんのこと,『どのように学ぶか』という,学びの質や深まりを重視することが必要であり,課題の発見と解決に向けて主体的・協働的に学ぶ学習(いわゆる『アクティブ・ラーニング』)や,そのための指導の方法等を充実させていく必要があります。こうした学習・指導方法は,知識・技能を定着させる上でも,また,子供たちの学習意欲を高める上でも効果的であることが,これまでの実践の成果から指摘されています」
 

「ラーニングピラミッド」と呼ばれる、授業で学んだ内容を半年後にどれだけ記憶しているかを授業の形態で比較したアメリカの研究結果があります。講義を聴いただけの場合は、内容のわずか5%しか覚えていない。読書が10%、視聴覚が20%、デモンストレーションが30%、グループ討論が50%、そして自ら体験すると75%、他者に教えると90%となっている。つまり、受動的な授業ほど内容が身についてないのに対して。授業にアクティブな要素を盛り込むと効果が大きいことが証明されたのです。

 
 

コンストラクショニズム、ハンズオン、オープンエンドを教育の柱としている当アカデミーでは、まさにこのアクティブ・ラーニングそのものを十数年前から実践しています。教育の内容や手法についても、やっと時代が私たちに追いついてきたのを実感します。これからも時代の先端をいく教育を提供していく所存です。ご期待ください。




トゥルース・アカデミー代表 中島 晃芳
 

 
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2015年3月18日水曜日

トゥルースの視線【96回】


テクノロジーが学校の姿が変える
-反転授業とオンラインスクール-
 
 
2011年にTEDカンファレンスで、非営利の教育ウェブサイト「カーンアカデミー(Khan Academy)」の創始者サルマン・カーン(Salman Khan)の「ビデオによる教育の再発明」というプレゼンテーションは、同席していたビル・ゲイツも絶賛し、大きなインパクトを与えました。
 
いとこに遠隔で家庭教師をしていたカーンは、復習に使えるおまけのようなものとしてYouTubeにビデオ(授業映像)をアップしました。すると、いとこから「YouTubeビデオの方が直接習うよりいい」という感想が。それもそのはずです。授業を一時停止したり、繰り返し再生したりできます。退屈な部分は飛ばすこともできます。「分かった?」という、子供にとって一番嫌な質問をされることもありません。ビデオを公開していたため、世界中の人からコメントや手紙や様々な反応を受け取るようになり、その輪が広がり地区全体の学校に導入されるようになったのです。
 
ここでは、一律的な講義を教室からなくし、事前に自宅で生徒にカーンアカデミーのビデオ講義を受けさせ、その後教室で先生のいるところで宿題をさせて、先生や他の生徒と交流できようにしたのです。いわゆる「反転授業」です。つまり、授業を受けることが宿題。学校においては先生の指導のもとにディスカッションや質疑、発展的な課題に取り組む。学びのインプットとアウトプットの場が逆になったのです。その結果、対話型の協働的な学習を増やし深度と応用力を高めることが期待されます。
 
カーンアカデミーでは、ICT技術を駆使し、それぞれの生徒が何をやっているか?毎日の勉強時間は?見ている講義ビデオは何か?いつ止めたか?やめたのは何か?どの練習問題をしているか?どこに集中しているか?できる問題は何か?できない問題は何か?リアルタイムで正確に分かります。カーンは、「先生たちには 可能な限り情報の武器を渡します。金融やマーケティングのような分野同様、教育にもデータが必要です。先生は生徒の抱えている問題を把握して、生徒との対話を効果的に行えます。教室をテクノロジーによって、より人間的なものに変えたのです。教室というのはこれまで非人間的な場でした。子どもたちは口を閉じ互いにおしゃべりすることができず、先生はいかに優れていようと、十把一絡げの授業を30人の無表情で少し反抗的な生徒相手に進めなければなりません。それが今や人間的な体験へと変わり、 互いにコミュニケートできるのです」と述べています。
 
一方、オンラインスクールが急速に広がっています。20039月、アメリカの理工系大学マサチューセッツ工科大学が世界初のオープンコースウェア (Opencourseware; OCW) サイトを立ち上げました。OCWとは、大学や大学院などの高等教育機関で正規に提供された講義とその関連情報を、インターネットを通じて無償で公開する活動。その後世界中の大学にその活動が広がっています。また、最近話題となっているMassive Open Online Course (MOOC、ムーク)は、インターネット上で誰もが無料で受講できる大規模な開かれた講義で、代表的なプラットフォームとしては「Coursera」や「edX」「Udacity」など、日本版としてはJMOOC(一般社団法人日本オープンオンライン教育推進協議会)が提供する「gacco」「OUJ MOOC」があります。
 
ロボカップジュニアに参加しているある高校生が、通学する県立トップ校のスーパー・サイエンス・ハイスクール(SSH)からオンラインスクールに転校することを宣言しました。「自分が今一番やりたい学習をするには別の選択が必要だと思うようになりました。通学や高校の団体学習にかかる時間を自分の研究に費やし、全国、世界を飛び回って大会や勉強会に参加し、ロボットの研究をしたいと強く思っています。オンライン学習は時間が有効に使え僕にとって現在大変有効な学習スタイルです」と。
 
反転授業は、同じ時間、同じ空間に先生と生徒たちが集う教室という『実空間』は何のために存在するのか、いわば学校教育の存在意義を問い直した産物と言えますが、一方、OCWMOOCは、学校でしか体験できなかった教育活動を『仮想空間』でどう実現するかを追求する試みで、学校教育にとって破壊的イノベーションになる可能性も秘めているようです。
 
 
 
トゥルース・アカデミー代表 中島 晃芳
 

 
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