2015年6月10日水曜日

トゥルースの視線【98回】


NESTモンゴル高専支援プロジェクト(3)
-モンゴル高専の学生と日本の学生との交流①-



昨年9月、都立産技高専の富永教授・黒木准教授と共に、当アカデミーの池田と中島がモンゴル高専にロボットキットの寄付し、学生たちにロボットプログラミングの基礎を教えて来たことを以前ご報告いたしました(視線91回・92回参照)。その後、モンゴル高専には「レゴロボット部」という部活ができ、20数名の生徒が在籍して活動を行っているとのこと。ロボットコンテストに参加したり、中学生向けの学校説明会でロボットのデモを行ったりしているそうです。

しかし、前回訪れた際にパソコンの台数や時間の関係から当初予定した内容を全て終えることができませんでした。ですので、もう一度授業を行う機会を得られないかと考えておりましたが、このGWに実現することができました。一般社団法人「モンゴルに日本式高専を創る支援の会」代表代行理事も務め、この2年間ウランバートルに在住してモンゴル高専の学校運営の中心、NPO法人科学技術教育ネットワークの理事長である中西佑二・産技高専名誉教授が今回も授業をセッティングしてくださいました。

モンゴル高専に寄贈したロボットキットは、1998年に発売開始となったレゴ・マインドストームの第1世代であるRCXです。発売当時、工具も工作機械も半田付けも必要のないロボットキットの出現は、教育界に強力なインパクトを与え、学校教育におけるロボットを教材とした授業の爆発的な普及を引き起こしました。しかし、現在は第2世代のNXTを経て第3世代のEV3と進化しているので、今となってみれば古く性能も劣ります。

現在当アカデミー講師の名村圭祐と相澤信太郎がこのRCXで今年ロボカップジュニアの大会に参加し、ジャパンオープンで3位という輝かしい成績を残したことが、今回のモンゴル訪問が実現したきっかけとなりました。名村は幼稚園生から当アカデミーに通い、ロボカップジュニアのレスキューで世界大会にも出場しました。相澤も小学低学年から通い、宇宙エレベーター競技では国内最高の高度まで上った記録の持ち主です。自分を育ててくれたRCXをこよなく愛する二人は、年齢制限のためロボカップジュニア現役最後の出場となる今年、RCXで出場することにしたのです。C言語でのプログラミングも当然できるのですが、敢えて最初に学んだプロブラミングソフトROBOBLABでプログラムを組みました。RCXのロボット製作技術に精通し、ROBOLABによるプログラミング技術を最高レベルまで極めた二人です。

モンゴル高専の生徒たちもROBOLABでのプログラミングを学んでいます。この二人とモンゴル高専の生徒たちとが交流することによって、高専生がよりロボットに興味を持ちレベルを上げて、将来的には日本や世界のロボカップジュニアに参加してもらいたいと思ったのです。相澤は残念ながら都合がつかず、名村のみがモンゴルに行くことになりました。

5/1(金)池田と中島が先行して、20℃を超す日本から最低気温が氷点下となるウランバートルに降り立ち、副校長のムンフバヤル先生(福井高専卒)が出迎えてくれました。5/2(土)情報科担当でレゴロボット部の顧問であるヒシゲ先生、通訳のウルジさん、中西先生や生徒2人が手伝ってくれて、教室の配置、ロボットの準備、PCとの通信チェックを行いましたが、今回もPCとの通信がなかなかうまくいかず、終日準備に追われてしまいました。

1年生90名に加え、高専開校半年前に設置されたモデルクラスの2年生30名を加えた計120名の授業が、いよいよ、5/4(月)から1クラス30名単位で始まります。モンゴル高専の運営母体であるモンゴル工業技術大学(IET)もロボット教育に興味を持ち、大学の先生も授業に参加することになりました。
 
<次号につづく>
 
 
トゥルース・アカデミー代表 中島 晃芳

 
 

トゥルース・アカデミー ブロック・サイエンス
 
トゥルース・アカデミー リトル・ダヴィンチ理数教室
 
トゥルース・アカデミー ロボット・サイエンス




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