2017年6月30日金曜日

トゥルースの視線【119回】


World Robot SummitRoboCup Asia Pacificスタート!

-ロボットコンテスト全盛時代に突入?-

 

経済産業省と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が主催する「World Robot Summit (WRS:ワールドロボットサミット)が、いよいよ動き出しました。2018年プレ大会が東京ビッグサイト(10/1721)で、2020年本大会は愛知県国際展示場(8月・10月)開催。特別な施設(プラント、トンネル)が必要なインフラ・災害対応分野の一部の競技については、福島ロボットテストフィールドで実施されます。
 

WRSは、人間とロボットが共生し協働する世界の実現を念頭に、世界のロボットの叡智を集めて開催する競演会で、ロボットの競技会「World Robot Challenge」と、最新のロボット技術を展示する「World Robot Expo」を介して、世界中のロボット関係者が一堂に集まり、リアルな日々の生活、社会、産業分野でのロボットの社会実装と研究開発を加速させることを目的としています。競技会は、4つのカテゴリー(ものづくり、サービス、インフラ・災害対応、ジュニア)で計8つのチャレンジを実施予定。ジュニア・カテゴリーでは、学校環境においてニーズのありそうなタスクとそれを実現するプラットフォームロボット(ソフトバンクの人型ロボットPepper(ペパー)が採用)をプログラミングする「スクールロボットチャレンジ」と、サービス分野と同様のタスクを設定しロボットを製作する「ホームロボットチャレンジ」が予定されています。スクールロボットチャレンジで使用する。
 

一方、今年201712/1218、第1回「RoboCup Asia Pacific」(RCAP:ロボカップ・アジアパシフィック)がバンコク(タイ)が開催されます。従来の世界大会では参加国も増え、規模が大きくなってしまったので、地域ごとの交流を目指すものです。日本・中国・タイ・シンガポール・オーストラリア・イラン・中国が中心となって進めています。ロボカップのメジャー(研究者の部門)とジュニア(19歳以下の部門)の全競技が予定され、20ヵ国200チーム3000人の参加者、15000人の来場者を見込んでいるそうです。ジュニアの日本チームは、今年3月に行われたジャパンオープンぎふ・中津川で、準優勝以下の上位チームが出場権を獲得します。また、愛知で行われる2020年のWorld Robot Summitは、RoboCup Asia Pacificも同時開催となるので、子供たちは、WRSとロボカップジュニアのどちらに出場するか、という選択肢が持てるようになりました。挑戦の可能性が広がったように思います。


 ロボカップは、「2050年にロボットのサッカーチームが人間のワールドカップ優勝チームに勝つ」という目標を持ったランドマークプロジェクト。「月に人類が降り立つ」や「人工知能が人間の囲碁の名人を破る」という、だれにも分かり易い高い目標を掲げて、研究開発を加速化させるプロジェクトです。やはり、ロボットコンテストなどがあると、開発のスピードを上げることができるのでしょう。これは、子供の学習も同様です。高い目標を目指して「ロボットコンテストで勝ちたい!」という強い気持ちがあればこそ、メカニズムやセンサー、プログラミングの学習に、またその基礎となる教科の学習に励み、論理的思考やコミュニケーション力やチームワーク形成力、スケジュールを含めた自己管理能力、問題解決力、プレゼンテーション能力の大切さに気付くのです。

 子供たちがさらに活躍してくれることを期待しています。


世界中のエンジエアや研究者が、ロボットの未来に人類の夢を託している。それは、競い合っているように見えて、じつは、連帯している。(中略)それらが目指しているのは、たった一つのこと。人類の幸福。この世界に住む一人ひとりの人間が、ロボットとともに暮らし、かつてない、新しい幸福に出会うこと。

World Robot Summit



トゥルース・アカデミー 代表 中島晃芳


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2017年5月31日水曜日

トゥルースの視線【118回】


8回教育ITソリューションEXPO
日本の教育は変われるか? -


5/17()19()3日間、東京ビッグサイトで日本最大の教育分野専門の展示会「教育ITソリューションEXPO」(EDIX)が開催されました。学校業務支援システム、ICT機器、デジタル教材、eラーニング、教材や教育コンテンツ、各種学校向けサービスなどが一堂に展示されます。第8回となる今回は過去最大の800社が出展(昨年来場者数30,422)、東京だけはなく大阪でも今年初の開催となります。また、文科省や東工大、早稲田大、慶応大などの教育専門家による32のセミナーが行われました。いわば、年1回ロンドンで開催される世界最大規模の教育ICT展示会「BETT」(視線4950参照)の日本版です。

また、今年で2回目になる「みらいの学びゾーン『学びNEXT』」は前年比の2倍となる90社が出展。昨年は別会場でしたが今年は本会場で行われました。このゾーンには、プログラミング教材や工作用キット、教材用ロボット、3Dコンピューターなど、STEM教育(Science, Technology, Engineering, Mathematics)ものづくりを通して学ぶFab Learning(ファブ・ラーニング)の教材が集結しています。私共としては最も関心のあるゾーンです。

今年の最大の特徴は、一気にプログラミング教材、ロボット教材、ロボット教室のフランチャイズ募集が増えたことです。プログラミング教材はロボットと組み合わせたものや幼児からプログラミングの考え方を学ぶ教材が目立ちました。また、電子工作系の教材もプログラミングと組み合わせたり、配線することなくタブレット上で配線を行ったりするなどの新しい傾向が見られました。中にはBasicArduino(アルデュイーノ)言語でコーディングするものもありますが、プログラミングソフトは圧倒的にScratch(スクラッチ)系が多く、学習のためのインターフェイスとしては浸透してきた感じがします。中で面白かったのは、電池の電流をタブレットで制御できる電池ボックスです。これを使えば、電池を使って動くもの、光るもの、何でもタブレットから制御できることになります。人工知能を使ったロボット型の英語教材も現れました。逆に昨年と比べて少なくなったものは、半田を使って電子回路を作成する教材です。この1年間で時代が大きく変わったことを痛感しました。 

このプログラミング教育ブームは、201312月に開催されたオバマ前大統領が「Computer Science Education Week」において、プログラミングの重要性を訴える有名な演説を行ったことに端を発しています。また、OECDが行う国際学力調査「PISA」で学力世界一を誇ってきたフィンランドが昨年の4月より9歳以上対象として必修科目としてプログラミング教育を開始したことを受け、日本でも2020年に必修科目化の決定をしたことが大きな要因となっています。

2000年からSTEM教育をリードしてきた当アカデミーとしては、10年後も使い続けることができる教材を見極めて導入し、プログラミング教育・ロボット教育の父シーモア・パパートが提唱する教育理論「コンストラクショニズム」に忠実に則った独自の授業案を作成して、効果の高い教育を子供たちに提供していきたいと思っています。他のプログラミングやロボットの教室と決定的に異なるのが、フィンランドが教育で成功した教育理論「社会的構成主義」と「コンストラクショニズム」とをベースとし、教育プログラムと教材、指導法の三位一体による21世紀教育の実践であると自負しています。

プログラミングを学ぶことは、みなさんの将来にとって重要なだけでなく、アメリカにとっても重要です。 アメリカが最先端であるためには、プログラミングや技術をマスターする若手が必要不可欠です。―アメリカ・オバマ前大統領―


トゥルース・アカデミー 代表 中島晃芳


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2017年4月25日火曜日

トゥルースの視線【117回】



生徒同士の友人としての絆
-FC日吉よ、永遠に!-

 
かなり昔の文章になりますが、20086月~093月のトゥルースの視線3642にかけて、ロボカップジュニア(以下、RCJ)の紹介、Truth AcademyRCJの歴史、参加者や支援する大人の関わりについてお話いたしました。その中で、2001年から開講した当アカデミーのロボットサイエンスの生徒たちの中から生まれた「FC日吉」という4人のグループについても触れました(視線第39)

時の経つのは早いものです。メンバーの一人の瀬戸匠君は小学3年生から通い、Truthの講師になって6年間ロボットサイエンスを引っ張ってくれました。2015年には自分が育てたチームをRCJ世界大会に出場させ、引率もしてくれました。その瀬戸君も今年大学院を卒業し、この4月から有名ロボットメーカーの社員として働き始めました。FC日吉の幹事役です。小3から通ったKK君は、都立高専に進学しロボカップ研究部の部長を務め、高専ロボコンにも出場して卒業後就職。この4/16()に結婚式を挙げました。FC日吉の兄貴的な存在です。小2から通っていた、優秀で明晰な頭脳を持つTM君は大学院の博士課程に進学して研究職を目指して現在も研究活動を行っています。FC日吉の番頭役です。レゴのサッカーロボットの様々な機構を考案していました。小2から通った、鉄道好きのHS君は建築学科に進学し、世界中を旅してフランスにも留学し、現在も大学院で研究しています。FC日吉のムードメーカーです。Truthを卒業した後も皆、RCJの大会運営やTruthロボット合同練習会、NESTのロボコンやサイエンスキャンプなど、事あるごとに手伝いに駆けつけてくれていました。

定期的に会っていたFC日吉が、今年1月にKK君の結婚の前祝いに池田と私を4人の集まりに招待してくれました。皆通ってきた当時と変わらず、KK君が出張に向かう電車に乗るまで、皆笑顔で笑いながら語り合い、楽しい時を過ごしました。別れた後、涙がこぼれそうになりました。素直に育ち、立派になって社会に羽ばたいていく4人の姿と彼らの子供のころの姿が重なって脳裏から離れません。その後、KK君の結婚式に流すビデオメッセージやダンスの撮影に日吉校の教室を貸してくれないか?と相談があり、KK君を除く3人の笑い声が夜10時半頃まで教室に響いていまいた。そこにはFC日吉を尊敬していた後輩の卒業生RS君の姿もありました。

FC日吉だけではなく、RCJに参加したチームメンバー同士が固い絆でつながり、Truthを卒業した後も長く友人関係が続いているグループがいくつもあります。長い間ともにチームとして戦略を練り、ロボットを開発した仲間、ジャパンオープン(以下、JO)や世界大会に出場して何日も一緒に過ごした仲間、競技のたびに苦楽を共にした仲間との経験は強烈な思い出を残すのでしょう。また、彼らを支えた保護者の皆様の育て方や支援の仕方、保護者同士の協力の仕方などが上手く機能していた、ということも忘れてはならないと思います。

Truth卒業生では現在、世界大会出場者の持田先生・名村先生・畝本先生が、幼い頃に通っていた高木先生が講師として後輩指導に当たってくれています。今年から、世界大会でダンスの賞を取り、サッカーでもJOに参加した柳澤君、ダンスとサッカーでJOに出場した瀬戸君(FC日吉の瀬戸君の弟)が講師に加わってくれました。卒業生以外では、RCJ-OBの宮下先生、森田先生、戒田先生が世界大会に出場しています。

自分が輝いていた場として、Truthに通っている子供たちがいつまでも思い出してくれる教室づくり、RCJで活躍したOBが後輩に自分の知識や技術、文化を伝えたくなるような教室づくりを肝に銘じ、今後も真剣に子供たちの成長を願い、本気で子供たちと向き合っていきたいと存じます。保護者の皆様にも多々ご協力を仰ぐこともあるかと存じますが、よろしくお願いいたします。


トゥルース・アカデミー 代表 中島晃芳


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2017年3月22日水曜日

トゥルースの視線【116回】


トゥルース・アカデミーのプログラミング教育
-すべてのコースで学べるプログラミング-

 
先般お伝えしましたように、「リトル・ダヴィンチ理数教室」ではiPadを導入し、2008年以来小学23年生のみに行っていたプログラミングの授業を、年長以上のすべてにステップに導入することにしました。Code Studio, Scratch Jr(スクラッチジュニア), Scratch(スクラッチ)など発達段階に応じた教材を使用します。Code Studioは、全米の教育カリキュラムにプログラミングを組み込むことをミッションとしたNPO団体Code.org20149月に公開。幼稚園年長から高校までの生徒を対象とした実に豊富なカリキュラムを用意し、ガイド付レッスンを通じてプログラミングの基本概念に興味を持たせるツールとカリキュラムがセットとなっているものです。ロジックのブロックを操作させることによってプログラミングの基本概念が学べます。適切な順番に並べることで、キャラクターを動かしたり、図形を描いたりでき、図形や数量、論理、アルゴリズムが学べ、インターフェースはMITScratchによく似ています。現在までに17万人の子供たちが参加しています。また、教師が個々の生徒の進捗をモニターできるインターフェースがあるのも大きな特長です。当アカデミーでも、全生徒の進捗状況と理解度をリアルタイムに把握して指導していきます。

2001年にスタートした「ロボット・サイエンス」では、リモコンで動くロボットではなく、各種センサーを用いてプログラミングにより、ロボットを思い通りに動かせることを主眼としています。教育版レゴ©マインドストーム©を教材とし、付属のプログラミングソフト(計測系の言語LabViewをベースにしています)を使用するところから始まりますが、C言語、C言語ライクなRobotCArduino(アルデュイーノ)を学んだり、電子回路製作などに取り組んだり、子供たちの興味と関心に応じて学ぶことができます。そして、「宇宙エレベーターロボット競技会」や国際的なロボットコンテスト「ロボカップジュニア」などで、学習の成果を発揮します。昨年は宇宙エレベーターロボット競技会では優勝と3位。ロボカップジュニアでは、2004年からほぼ毎年世界大会に複数チームが出場し、世界チャンピオンを何人も輩出している伝統と実績があります。 

2000年から続いている「ブロック・サイエンス」ではプログラミングを扱わないのでは?と誤解していらっしゃる方もあるようですが、小学23年生を対象とする「キッズクリエーターⅡ」のステップでは、ロボティクス導入教材「WeDo」で、モーターやセンサーの制御の基本、プログラミングの文法の基礎を学びます。最近はWeDoを用いた教室も出てきたようですが、当アカデミーでは基礎理論の実験やモデル研究、問題解決学習(あることに困っている人を助けるためのものをレゴ©ブロックで発明しようという制作課題)を通して、ロボットの身体を動かす仕組みであるメカニズムを学んでいるので、プログラミングの工夫だけでなくモデルの改造もできるようになる点が大きな特長です。その成果が、FLL Jr.での受賞にもつながったのではないでしょうか? また、小学3年生以上の「ジュニアエンジニアⅠ・Ⅱ」では、各単元の最後にマインドストーム©を用いて、センサーを使った自動制御やデータロギング(実験データの収集と分析)を行っています。自動ドアや実際のコインの選別機を作ったり、振り子の等時性を調べてみたりといった活動です。さらに、小学5年生以上の「ジュニアインベンター」では、プログラミングによる制御とデータロギングを同時に行い、データによってプログラミングを修正するといった活動も行います。

ここ数年世界の教育現場で先進的な科学教育にしきりに求められている、プログラミング、ロボット製作、データロギングがここトゥルース・アカデミーには全てあります。また、教室の外に出てSTEM教育を広く普及する活動を行うのが、NESTNPO法人科学技術教育ネットワーク)なのです。

― すべての学校の、すべての生徒が、コンピュータサイエンスを学ぶ機会を得るべきです ―



トゥルース・アカデミー 代表 中島晃芳


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2017年2月15日水曜日

トゥルースの視線【115回】


プログラミング教育開花の陰で
-追悼、シーモア・パパート-




マサチューセッツ工科大学(MIT)名誉教授、シーモア・パパート氏が昨年7月、88歳で死去しました。

 パパートの功績を視線106でご紹介しましたが、発達心理学者ジャン・ピアジェの共同研究者、人工知能の研究者、MITメディアラボの創設者の一人として知られています。また、教育用プログラミング言語「LOGO」の開発と教育実践、LOGOのプログラミングでLEGO©ブロックのロボットを動かす「LEGO © LOGO」の開発・普及、LEGO©社のロボットキット「Mindstorms(マインドストーム)©」の考案…と、プログラミング教育・ロボット教育は、パパートが源です。これに留まらず、MITメディアラボ初代所長ニコラス・ネグロポンテやパーソナルコンピューターの父と言われたアラン・ケイらとNPO法人「One Laptop Per ChildOLPC)」を設立し、「100ドルPC」と呼ばれたノートPCを開発し、貧しい国の子供達にPCを届ける活動にも尽力しました。

 201312月オバマ演説『全ての人よ、プログラミングを!』(視線86)を機に、米国を始め世界中でプログラミング教育の火がつきました。日本も2020年に小学校で必修化する方針となり、今やプログラミング教室やロボット教室が雨後の筍のようにできています。当アカデミーは、2000年にレゴ©ブロックとロボットを教材とした教育を始めました。当時は理解を得られず、最初の1年半は生徒10数名という状況を振り返ると隔世の感を覚えます。08年にScratch講座を開いた時も受講者は皆無でした。やっと時代がTruthに追いついた感じです。おそらくパパートも60年代から手掛けてきた教育の意義と必要性が、世界に認められ、多くの子供達がプログラミングを学ぶ時代になったことを心底喜んでいるでしょう。パパートがいたからこそ、Mindstormsを初めとするロボット教材で、彼の愛弟子ミッチェル・レズニックがLOGOを現代版に進化させたScratchで学べるのです。

リトル・ダヴィンチ理数教室でも、今春から毎週の授業にプログラミングの思考を育てる活動を始めます。一方、ロボットサイエンスでは今後対象を現在の小3生~を小4生~にする必要性を感じています。パパートは「デバグの効用(視線109)を唱えています。ロボットがうまく動かないとき、ソフト面やハード面、PCとロボットの通信など、バグの特定に数多くの観点から検証を行わなければなりません。正直なところ、小3ではまだ難しいと実感しています。子供は、幼児期との永久の決別である「9歳の危機」を乗り越えた後に、世界を客観的に見る目を持ち始め、抽象的・論理的思考ができるようになります。今年度は、ブロックサイエンス在籍生が両コースを選択する場合のみ、小3生を受け入れます。

 ところで、最近のロボット教室やプログラミング教室を見渡すと、まるで1つの教科のように、ロボットやプログラミングそのものを学ぶことが目的となっている気がします。「コンピューターが人々の考え方や学び方をどのように変えていくか」という疑問から、パパートが提唱したのは、『コンストラクショニズム』という教育理論です。当アカデミーは、ブロックやロボット、プログラミング、算数教材や理科実験をあくまで一つの教育ツールとして、21世紀に必要な学力を実現するのに極めて有効な『コンストラクショニズム』を日本の教育に根差し、普及することを目標にこの17年間、実践をしてきました。教育関係者からは、「理論と実践が完璧に一致している」という高い評価を得ています。パパートの死を悼むと共に、彼が提唱し目指してきた教育をこの日本の地でより効果的に実現すべく、邁進していきたいと存じます。


トゥルース・アカデミー 代表 中島晃芳


トゥルース・アカデミー ブロック・サイエンス
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2017年1月18日水曜日

トゥルースの視線【114回】


2017年 新年のご挨拶
-人工知能とロボットの時代に生きる(3)-
 
 
2017年東京は、今年も暖かく穏やかな三が日を迎えました。明けましておめでとうございます。

昨年末2つの国際的な学力調査の結果が発表されました。日本の子どもたちは、理科・算数数学で順調に学力を伸ばしているようです。

一つは、11/29に発表された国際教育到達度評価学会(IEA、本部オランダ)が実施する、小学4年と中学2年が対象の国際学力テスト「国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)」2015年の結果。主に学校で学んだ内容について、「知識」「技能」「問題解決能力」の習得状況を評価します。日本は全4教科の平均点でいずれも1995年の調査開始以来、過去最高を記録。中2理科の国際順位は前回から2つ上げて2位となるなど、全教科で5位以内に入りました(4算数5位・理科3位、中2数学5位・理科2)。-日経新聞-

理科の結果について、森本信也・横浜国立大教授(理科教育)は、高得点を取った生徒の割合が増えていることから「『理科離れ』が言われて久しいが、観察や実験の機会を増やして深く考えさせる『課題解決型』の授業が定着してきた成果が表れている」と評価。算数・数学について、藤井斉亮・東京学芸大教授(数学教育)は、学習していない内容の問題でも国際平均並みの正答率がみられた点に注目。「課題解決型の授業で学んだ知識をもとに、自分で考え、未知の問題にも挑戦する姿勢がうかがえる」と解説します。-朝日新聞-

もう一つは、3年に1回行われる経済協力開発機構(OECD)の2015学習到達度調査(PISA= Programme for International Student Assessment。義務教育修了段階にあたる15歳を対象に読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシーの3分野について知識や技能を実生活の場面でどう活用できるかを評価します。「科学」「数学」の平均点の順位は、現在の調査方法になって以降いずれも過去最高(科学2位、数学5)。しかし、文章や資料などから情報を読み取り、論理立てて自分の考えを記述する「読解力」は前回より22点低く、4位から8位に下がりました。文部科学省は、問題表示や解答が紙での筆記からコンピューターの使用に変わったことを挙げ、「複数の画面を見て答える問題などで、子どもたちに戸惑いがあった」としつつ、「情報を読み解き、言葉にする力で課題が浮かんだ。スマートフォンでインターネットを利用する時間が増える一方、筋だった長い文章を読む機会が減っている」(同省教育課程課)と分析しています。OECD教育・スキル局のアンドレアス・シュライヒャー局長(下写真)は、コンピューターへの移行について「情報化社会でのものの読み方の進化を反映させた」と説明。「様々な情報を対比させ、批判的な目で見て、見極める能力が必要になっている」と指摘しました。-朝日新聞-
 

理数の学力が伸びた一方で、TIMSSPISAのアンケートでは、「科学の話題について学んでいる時は、たいてい楽しい」「科学についての本を読むのが好きだ」「理科が自分の将来にとって重要と考えているか」「理科は得意だ」「数学は得意だ」と感じている生徒の割合が以前より上がったものの、意欲面ではまだ国際平均を下回っているとのこと。森本教授は、生徒の探求心の向上などに関する研修に参加した教師の割合が国際平均を大きく下回っている点に注目。「教師が教科書の解説にとどまり、生徒に学ぶ楽しさを教える授業ができていない可能性がある」と指摘しています。

元旦の日経新聞では、「当たり前と考えていた常識が崩れ去る。速まる一方の技術の進歩やグローバリゼーションの奔流が、過去の経験則を猛スピードで書き換えているからだ。昨日までの延長線上にない『断絶(Disruption)の時代が私たちに迫っている」「AIなどの『第4次産業革命』が迫り、人口減の衝撃も様々な断絶を生む。私たちはそんな時代に生きているのだ」と論じています。

このような状況下で、世界がより複雑で不安定になり、多様化が進むと予想される2030年に向けて、子どもたちに求められる『知識・スキル・行動』を特定・再定義し、それらの素質や能力を育むために必要な教育についての長期的な議論を促進すること等を目的としている Education 2030と題するプロジェクトをOECDは、日本を含め全加盟国に参加を呼びかけています。

前出のシュライヒャー局長は、2030年に求められる能力として、(1)グローバル化し複雑化する社会において、多様な協力関係を結びそれらを管理する能力(2)問題の細かな要素を結びつけ価値を生み出す能力(3)情報を整理する能力(4)専門家としての深い知識と、ゼネラリストとしての知識の幅広さをあわせ持つことなどを挙げています。また、忍耐力や自信のある生徒ほど数学の成績が良いというデータを示し、「認知能力以上に重要な要素として、社会的スキルや感情的スキルがある」と述べています。そのうえで、これらを総合した21世紀型の教育カリキュラムとして(1)知識(伝統的な数学・言語などの教科、現代的な知識としてのロボット工学・起業など)(2)スキル(創造性、批判的思考能力、コミュニケーション能力、協働等)(3)人格形成(好奇心、勇気、立ち直る力、倫理観、リーダーシップ等)の3要素を網羅した枠組みづくりが必要であると強調します。

新しい時代の教育に向けての小さな実験場としての当アカデミーとNPO法人科学技術教育ネットワークでは、科学技術教育の分野で、Education2030が目指す教育を実践すべく、スタッフ一同全力で邁進していきたく存じます。ご期待ください。

本年もよろしくお願いいたします。

トゥルース・アカデミー 代表 中島晃芳
 
 
 


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