2017年11月25日土曜日

トゥルースの視線【第123回】

加賀ロボレーブ国際大会2017に参加して
~ アメリカ発のロボットコンテストに東日本勢、初参加 ~


去る11/10(金)~12(日)石川県加賀市で「加賀ロボレーブ国際大会 RoboRAVE Kaga Japan 2017」が開催されました。この大会は今年で3年目ですが、Truth Academyが所属するNPO法人科学技術教育ネットワーク(NEST)が東日本での普及を依頼され、今年初めて「RoboRAVE東日本大会」を主催。加賀国際大会にチームを送り出しました。今回の大会では、日本112チーム、中国6チーム、台湾18チーム、シンガポール3チーム、インド1チーム、アメリカ2チームの計142チーム、405人の小学生から高校生が参加。日本でも初めて大阪、東海、東日本から参加し、東日本からは6チーム、14名で遠征ツアーを組んで参加しました。


競技は、Line Following(小~高各部門)、a-MAZE-ing(小・中各部門)、Jousting(小・中各部門)、Sumobot(小~高)、プレゼンを行うRobotovat(中・高)の全5競技9部門が行われました。RoboRAVEが他の競技と異なるのは、練習は何度でもできて、自分で申し出て競技に臨むことができる点。Line Followingは10回まで、a-MAZE-ingは何度でも競技ができ、上位成績5回の合計で予選の得点が決まります。決勝は、8チームのトーナメントで競います。“Today’s Play, Tomorrow’s Pay.”をモットーにしているコンテストだけに、国際代表Russ氏の「さあ、遊ぼう!1・2・3・ワオ!」で開幕した競技会では、子供たちは自由(過ぎるくらい?)に楽しみながら取り組んでいる様子が印象的です。結果は、台湾が圧倒的に強く、ほとんどの部門で上位を独占しました。東日本のチームは、Line Followingとa-MAZE-ingに参加しました。Line Followingの予選では2チームが9位で惜しくも決勝進出を逃しましたが、小学生1チームが決勝に進出し5位。同チームは、a-MAZE-ingでも6位入賞を果たしました。



大会2日目に競技とは並行して、ロボット教育について意見を交換することを目的に、「RoboRAVE 2017 Global Summit」という国際会議が行われました。加賀市市長、加賀市教育長、RoboRAVE International代表Russ Fisher-Ives氏、アメリカ・アジア・インド代表や日本を含めた各国の先生が参加。大会でも子供たちに話をしてくれたNASA太陽系探索部長のJoseph Minafra氏も加わりました。また、ロボカップジュニアに参加している西堀栄三郎記念館の方が、南極探検など多方面で活躍した西堀栄三郎の精神を受け継ぎ、「JARE杯」というロボカップジュニアのレスキューLineをベースした、南極での救助活動などストーリー性のある競技を行っていることを紹介しました。


加賀ロボレーブ国際大会は、宮元陸・加賀市長の肝いりで始まり、空港から会場や宿泊施設の送迎もバスをチャーターして行うなど、加賀市が一丸となって運営しています。市長主催の歓迎パーティーも主要人物や海外チームを招待して、ホテルの会場で行われました。2020年には、世界大会を加賀市で行うことが、プレス発表されました。一方で、まだ大会運営の経験が少ないこともあり、相撲をテーマとした新しい競技のSumobotでは運営が混乱し、1位が22チームになったり、ライントレースしながらピンポン玉を運ぶLine Followingでは、数回に分けて2000個を超すピンポン玉を運ぶチームも出て、用意したピンポン玉が不足して競技ができないチームがあったり、と想定外のことが起きたようです。また、ロボカップジュニアとは異なり、指導者や親の助けが多く目立ち、子供たちの自主的かつ自立した活動を実現する仕組みが構築できていない印象も受けました。

ロボカップジュニアの運営を十数年行ってきたNESTですので、今回の参加で感じたことや改善点などを大会側にフィードバックして、今後さらに楽しくも教育的な意義の高い大会に育つよう貢献し、東日本を含め全国に普及していければと思っています。

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